日本経団連の企業アンケートでは、新卒採用の重要視ポイントとして「コミュニケーション能力」挙げています。15年連続で第1位です。
きちんとコミュニケートできる人材が求められているんですね~。
最近、ありがたいことに企業研修をさせていただく機会が増えましたので、自分の知識を更に深める為にビジネスコミュニケーションの本を大量に読んでいます。
こちらは就活生向けに書かれた本。
「働くための「話す・聞く」 コミュニケーション力って何?」 上田晶美 著
「コミュニケーションって言われても、何をどうすればいいのか」と不安を抱える学生にオススメの本です。学生向けですが、大人である私達も勉強になる本でした。
ご存知の方も多いと思いますがここで「メラビアンの法則」をご紹介。
よく言われる「メラビアンの法則」で見てみましょう。
初めて会った人に対して相手がどこからの情報をより重く受け取るのかを実験し、次のような結果を得ました。視覚情報(外見しぐさ)55%
聴覚情報(声のトーン大きさなど)38%
言語情報(言葉の内容)7%一番大きな割合を占めているのは視覚情報(見た目]ということですが、これは顔の良し悪しではなく、表情です。
つまりどれだけ前向きな内容の話をしても、消極的な表情では相手に伝わらないのです。
「人は見た目じゃない」ではなく「人は見た目」なのですね。怖いといえば怖い。
本書の中では商社営業、落語家、心理カウンセラーなど様々な仕事の分野で活躍する人が
それぞれのコミュニケーション論を語っています。
元TBSアナウンサーの小島慶子さんはコミュニケーション力についてこう語ります。
自分の言葉で語るのが大事、とか言われますが、私は自分の言葉はないと思っています。
言葉は、他人に伝えるための手段で、誰にでもわかる平凡なもの。一人ひとりが違う言葉を話していたら誰も理解できませんから、伝えるためには共通=平凡である必要があるのです。
ですから、自分らしさとは言葉にあるのではなく『体験』にあるのだと思います。『体験』とその時の気持ちは自分だけのもので、他人とは共有することができません。
それを言葉を使って共有できた時に、共感が生まれます。
例えばあなたが就職の面接で「自分の体験は平凡だから非凡な言葉で脚色しなければつまらない」と思っているとしたら、それは逆です。
あなたにとって平凡だと感じられても、その体験は世界中であなたしか知らないのです。つまりオリジナル、非凡です。
その非凡さを伝えるために相手にわかる平凡な言葉を使うのです。
「コミュニケーション能力の高い人は何か特別な話術技法を持ってる」と思いがちですが、決してそうではなく、言葉そのものは平凡でいい、むしろ平凡でなければ誰も理解できない、と小島さんは言います。
「すごいと思われたい」と奇をてらった、また専門用語を無理に散りばめたような言葉を無理して使うより、言葉そのものはシンプルでよく、その内容に自分オリジナルの体験が入っていればOK!なのですね。
「滑舌よく」「身振り手振りを加えて」とテクニックに走るような本もたくさんありますが(もちろん細かいテクニックも、場合によっては効果があります)それよりも、前提として人に好印象をもってもらえるような表情、そして平凡な言葉で自分を語ること。確かに大切だ、と感じます。