これまでたくさんのマナー本を読んできました。
その中でも気に入った本をご紹介します。
「ロスチャイルド家の上流マナーブック」です。
ロスチャイルドと言えば、ネットで検索すると
「ロスチャイルド 陰謀」「ロスチャイルド 悪魔崇拝」などいろいろ出てくる為に「悪の権化」と思われがちですが (笑)、本書は正統派マナー本でした。
著者はナディーヌ ロスチャイルド。
貧しい家庭に生まれ、中学卒業と同時に家を出た後、町工場、印刷所、モデル、女優、ミュージックホールのダンサーと職を転々としながら生きてきたガッツのある女性。
ある日、パリの小劇場の楽屋で見つけた古いマナーの本が、ナディーヌの人生を変えました。
後に、大富豪のロスチャイルド男爵と知り合い、本の中で想像していた夢の世界を現実のものとすることができたのです。単なるラッキーガールではなく、努力と女性としての魅力で、かのロスチャイルド家の夫人となりました。
この本の中にはマナー本によく取り上げられる「電話・手紙のマナー」「パーティーのマナー」「お祝い事のマナー」などがありますが、他にも男爵夫人らしい「旅のマナー」「外国でのマナー」などもあります。
初版がフランスで出たのが1991年ということもあり、内容が少しクラッシックな感じもしますが、マナーの原理原則は変わらないという印象を受けました。私がこの本の中で感銘を受けたのは冒頭の部分です。
あなたがまず第一に心を配るべき人は誰でしょうか。
あなたのお母様でしょうか。あなたのお父様ですか。
あるいはあなたのご主人、そして子供たちでしょうか。お分かりでしょうか。
そう、もちろんあなた自身なのです。
自分自身に尊敬を抱けば抱くほど、他人を尊敬できるようになるのです。自分を尊敬することができなければ、絶対に他人を尊敬することもできないと私は思っています。
マナーといえば、私の中では「人に失礼にならない方法」「恥をかかない方法」などなどどちらかと言えばマイナスの感情を持つものでした。「これがないと減点される」という恐れにも似た思いです。
しかし、世界の社交界で活躍したロスチャイルド家の夫人が開口一番にいう「マナーは自分の為」という言葉は、とても不意をつく言葉でしたし、勇気を与えられるものでした。
真のマナーを身につける為に、まずは自分に心を配り、自分を大切にします。
(おまけ)
やはりロスチャイルド夫人。スケールが大きいです。
「話し方・会話術のマナー」ではこんなことが書かれています。
決して話題にしてはいけないことは
健康、お金の悩み、家庭の悩みや使用人の愚痴などです
使用人のグチ!
言ってみたいものです。笑